黒鉛筆と色鉛筆で消しゴムの消え方が違う理由

黒鉛筆は消しゴムで綺麗に消えるが、色鉛筆は綺麗に消えない理由は何だろうか。これには芯の材料と作り方の違いに理由がある。

黒鉛筆は黒鉛と粘土を混ぜて、1,000~1,200℃の炉で焼き固めて作る。色鉛筆は色のもととなる顔料の粉に、書き味をよくするロウ、固めるための合成樹脂、合成のりなどを混ぜて、50℃の乾燥機の中で70時間ほど乾かしてできる。

黒鉛筆で書いた字が消しゴムで綺麗に消えるのは、紙の表面のみについた黒鉛の粉が消しゴムに引っ付いて取れるから。これに対し、色鉛筆は摩擦熱で原料のロウが溶けて紙の繊維に染み込んでいるため、消しゴムでは綺麗に消すことができないのである。

砂消しゴムは、ゴムに研磨砂を配合してあり、色鉛筆の原料を紙ごと削ることによりこれを消すことができるが、紙が削れるため破れることもある。また、最近ではロウの代わりに特殊な成分を混ぜた消しゴムで消せる色鉛筆もあり人気を呼んでいる。

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2017/8/30

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カテゴリー「生活・科学

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