オバマ大統領が天皇陛下に深々と頭を下げた理由

2009年(平成21年)11月17日にオバマ前大統領が初来日した際、天皇皇后両陛下にお会いした時に頭を深々と下げて挨拶をし、アメリカでは炎上騒ぎにまでなった。

この時、アメリカの大統領たるものが他の国の君主に頭を下げるとは何事だと、アメリカ各地で怒りの声が上がったという。

天皇陛下とオバマ大統領の初対面
天皇陛下とオバマ大統領の初対面
画像元THE INCREDIBLE TIDE

国の代表が国際会議に出る時に国際的な順位付けが明確に存在する。それが、皇帝(Emperor)、王(King)、大統領(President)、首相(Prime Minister)の順である。最高位の皇帝に当たるのが、200近い国がある中で日本の天皇だけである。天皇がエンペラーという唯一の存在であるため、オバマ大統領は日本式の頭を下げるお辞儀をしたと考えられている。

王にはイギリスのエリザベス女王(Queen Elizabeth)、大統領にはアメリカのトランプ氏やロシアのプーチン氏、首相には日本の安倍総理やドイツのメルケル氏などが該当する。首相は英語で「Prime Minister」であるが、ドイツの首相だけは伝統的な例外で、ドイツ語を直訳した「Federal Chancellor」、または単に「Chancellor」と呼んでいる。

皇帝がいるのが日本のみである理由としては、国名として「日本」という国が千年以上続いているが、ここまで長く続いている国が日本だけであることが挙げられる。世界中のほとんどの国は歴史の中で国名が変わってきたが、建国以来、一度も国名が変わっていない日本の象徴として、天皇は世界のランク付けでも最高位の評価を受けているといわれている。

2017/09/20

〔以下は追記〕

2017年(平成29年)11月6日にトランプ大統領が初来日し、皇居・御所の小広間で天皇皇后両陛下にお会いした。上記のオバマ前大統領のこともあり、トランプ氏の所作は大いに注目された。結果としては、天皇陛下との初対面においてオバマ氏のように頭を下げる挨拶ではなく、堂々と握手をして挨拶を交わされた。

天皇陛下とトランプ大統領の初対面
天皇陛下とトランプ大統領の初対面
画像元AFPBB News

天皇陛下よりもずっと高身長のトランプ氏は、ともすると見下ろすような格好になってしまうが、対面時には頭をわずかに傾けて見せるなど、陛下に気を使う様子も見られた。非礼に陥ることも時々あるトランプ氏だが、陛下との対面では手際よく中間地点への着地を心掛けたとみられている。

2017/12/30

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カテゴリー「歴史・文化

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