ダイエットの新事実:空腹時の運動は痩せにくい 他

この内容は管理栄養士の足立香代子著『太らない間食 最新の栄養学がすすめる「3食+おやつ」習慣』(2016/9/28発売)に記載され、毎日放送のテレビ番組『林先生が驚く初耳学!』(2017/5/14放送)で紹介されたダイエットの新事実である。

太らない間食 最新の栄養学がすすめる「3食+おやつ」習慣
画像元Amazon

この本は発売されるや否や「Amazon食・栄養部門」で売り上げランキング1位を記録した。1日20gのナッツを食べるなど適度な間食を摂る「間食ダイエット」は早くも常識になっているが、この本が大ヒットした理由はこれまでほぼ100%の人が信じていた事実を3つも覆したことにある。

ササミは太る体質になる

「ササミはダイエットに良い」と言われてきたが、ササミばかり食べていると太りやすい体質になる。

肥満の原因は糖質と脂質の摂りすぎによるものである。糖質や脂質が代謝されるためにはビタミンB1やビタミンB2が必要になるが、ササミの中にはこれらのビタミンが極めて少ない。そのため、ササミばかりを食べているとビタミンB群が不足して糖質や脂質が代謝されない太りやすい体質に変わってしまう。

糖質制限はリバウンドする

炭水化物や甘い物を抜く「糖質制限ダイエット」は確かに短期間にダイエットに成功した人も多いが、2人に1人がリバウンドしてしまっているという調査結果が出ている。糖質は脳にとってとても大事なもので、糖質の極端な制限は脳が糖質を欲しがるようになり、結果的に我慢できなくて長続きせずリバウンドしてしまう。

空腹時の運動は痩せにくい

ジムに通う人のほとんどの人が空腹の時に運動をしているという。体内の脂肪を効率よく燃焼するためには「空腹で運動する」というのが定説だったが、それは間違いだった。

空腹の時に運動をすると「糖新生(とうしんせい)」という現象が起こり、肝臓が糖を作り出すため、血糖値が上昇する。血糖値が上がるとそれを下げようとインスリンが分泌される。インスリンは通称「太らせるホルモン」で、余った糖分を脂肪として体内に溜め込む特徴がある。つまり、空腹時に運動をすると血糖値が上昇し、さらに運動後の食事でも血糖値が上昇する。そのため、インスリンの分泌量が増加し、太りやすくなる。

定説では空腹で運動すると脂肪が燃焼して痩せやすいと言われているが、空腹で運動してインスリンが増える方がダイエットには良くない。運動前にナッツなど200kcal程度の間食を摂ると血糖値の上昇を抑えられ、痩せやすくなる。

最後に一言

ダイエットの新事実として紹介したが、今までの定説を支持する意見もあると思われる。実際、リバウンドすると指摘された糖質制限ダイエットも見方を変えれば2人に1人は成功していることになる。そのため、自分の生活に無理なく取り入れられるダイエット方法、自分の体質に合ったダイエット方法を探す必要があると考えられる。

2017/12/30

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カテゴリー「生活・科学

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