「グニャグニャ文字認証」の裏の役割

インターネットを使っていると会員登録する際などに、グニャグニャと歪んだ文字を読んで入力する「グニャグニャ文字認証」が使われている。

グニャグニャ文字認証
画像元朝日新聞デジタル

このグニャグニャ文字認証は「CAPTCHA(キャプチャ)」と呼ばれ、セキュリティ強化に使われている。その文字は人間には読めてもコンピュータには読めないという特徴を利用したもので、コンピュータによる不正アクセスを防ぐセキュリティシステムである。この文字認証にはもう一つ裏の役割があり、利用者はその裏の役割に知らず知らずのうちに協力させられている。

それは一言で言うと「書籍のデジタル化を進めること」である。歪んで読みづらい文字や、かすれたりインクが薄くなって読みづらくなった文字をコンピュータに読ませることが出来れば、デジタル化することが出来る。

グニャグニャ文字認証は人間が見れば読めるが、コンピュータは読めない。しかし、何人もの人が「この歪んだ文字はこう読む」という記録が残れば、コンピュータがそれを覚えて読めるようになる。最終的には古い文献などをデジタル化することが出来るようになる。つまり、コンピュータに取り込む文字を増やすという壮大な計画に世界中が協力させられている。

グニャグニャ文字認証は現在4万以上のウェブサイトに採用され、1日で400万語以上の単語の解読に成功している。その仕事量は1,500人以上の人間が週に40時間働く労力に匹敵すると言われている。

2018/1/20

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カテゴリー「生活・科学

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