愛知県豊橋市に本社を置き、甘露煮メーカーとして知られる株式会社平松食品が2003年(平成15年)に制定。
日付は佃煮誕生のきっかけとなったとされる「本能寺の変」(1582年(天正10年)6月2日)に由来し、さらに甘露煮の「ろ(6)に(2)」(露煮)と読む語呂合わせから。
惣菜感覚の佃煮として人気の高い甘露煮を、もっと多くの人にPRすることが目的。同社では、この日を中心に、お得な「甘露煮の日フェア」や特別な「工場見学」を実施している。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
甘露煮とは、フナ、コイ、ハゼ、アユ、ニジマスなど主に淡水の小魚を素焼きした後、砂糖または水あめ、醤油、みりん、酒などを加えて甘辛く煮つめたもの。
佃煮とは、小魚、貝、海藻、野菜などを醤油、みりん、砂糖などで煮つめたもの。甘露煮が甘辛いのに対して、佃煮は醤油の塩辛さが特徴。保存性が高く、江戸時代から常備食として重宝されてきた。名前は江戸時代に佃島(現:東京都中央区)で作り始めたことに由来する。
1582年(天正10年)のこの日、明智光秀の謀反により織田信長は京都・本能寺で倒れた。その時、盟友・徳川家康は大阪・堺の地にいた。信長が討たれたことを知り、身の危険を感じた家康は、三河国・岡崎城(現:愛知県岡崎市)に逃げ戻ろうとした。
陸路はすべて塞がれていたため、海路での脱出を図った。その途中、摂津国・佃村(現:大阪府西淀川区)の漁師から道中食として差し出された保存食の小魚煮のおかげで無事に帰り着くことができた。
1600年(慶長5年)に関が原の戦いを征した家康は、その3年後に江戸に幕府を開いた。そして、御用漁師として摂津国・佃村の漁師を呼び寄せ、江戸の小島に住まわせ、その島を佃島と名付けた。佃島で作られた佃煮は、参勤交代に訪れる大名たちにより江戸名物の土産物として全国に広まっていった。
関連する記念日として、6月29日は「佃煮の日」となっている。