東京・浅草の老舗すき焼き店「ちんや」が制定。
六代目当主の住吉史彦氏が自店で過剰な霜降肉を使うことを止め、適度な霜降の入った肉「適サシ肉」だけを使うと宣言。「適サシ肉」の美味しさを多くの人に味わってもらうことが目的。日付は宣言をした2017年(平成29年)1月15日にちなんで。「適サシ肉」は住吉氏の造語で、株式会社ちんやが商標登録をしている。記念日は2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
江戸時代、同店は諸大名や豪商に小型犬の狆(ちん)などの愛玩動物を納め、獣医も兼ねていたところから「狆屋」と呼ばれていた。1880年(明治13年)に料理屋に転じたが、「ちんや」をそのまま屋号とした。
その後、1903年(明治36年)にすき焼の専門店になった。場所は浅草寺・雷門のすぐ西側(住所:東京都台東区浅草1-3-4)で、外観は明治の息吹を今に伝える総赤煉瓦づくりとなっている。震災・戦災を経て、1975年(昭和50年)に現在の店舗が竣工した。
画像元:浅草鳥越
「適サシ肉」とは、適度な霜降肉のことで、サシの入り方が過剰でないことを意味する。具体的には、脂肪の量が4等級(5等級は不使用)で、脂肪の融け方が良い、つまり脂肪の融点が低い=充分な月齢(30ヵ月)まで肥育した和牛のメス牛の肉を指す。また、小ザシ=サシの入り方が細かく、加熱するとサシと赤身の境界線から「和牛香」という良い香りの出る肉である。
これにより、赤身の旨味と脂の甘味がバランス良く、胃モタレせず、そして香りも良いすき焼きを実現できる。