権威のある学術雑誌『ネイチャー』に掲載されたオーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究によると、近い将来に漁獲量が激減し、魚が食べられなくなる恐れがあるという。
画像元:ScienceDaily
その理由は世界中の魚が迷子になってしまい、魚が獲れなくなるというもの。迷子になった魚は海流に乗ることができず、いるべき場所にいなくなり、漁業に深刻なダメージを与えると予想されている。
「炭酸酩酊」(たんさんめいてい)という言葉があり、「酩酊」とは酒などにひどく酔うことを意味する。人間でも一度に大量の炭酸を摂取すると、一時的に血液中の二酸化炭素濃度が上がり、酔っぱらったような状態になる。
地球がどんどん温暖化しているその原因の一つとしては、人間が化石燃料などを使用することで出る二酸化炭素が挙げられる。地球の二酸化炭素の3分の1ぐらいは海が吸収している。魚の血管中の二酸化炭素濃度が上がるとそれが脳に悪い影響を与えて、帰巣本能でもある方向感覚を狂わせる。
2050年ぐらいには増加した二酸化炭素が原因で魚が海で迷子になり、漁獲量が激減することが現実化すると考えられている。昨年、日本での大気中の二酸化炭素濃度が過去最高を記録しており、このまま増加し続けると温暖化だけでなく、漁業にも深刻な影響が出ることが指摘されている。
2017/11/28
カテゴリー「生活・科学」