赤いリンゴは日本から消滅する恐れがある

日本では「リンゴといえば赤色」というのが常識だったが、最近スーパーなどでは黄色いリンゴが増えている。

黄色いリンゴと赤いリンゴ
黄色いリンゴと赤いリンゴ
画像元朝日新聞デジタル

ここ数年のリンゴの生産量の推移を見てみると、黄色いリンゴは増加すると共に赤いリンゴは減少している。とある農家では10年前は赤いリンゴが90%、黄色いリンゴが10%の割合で生産していたものが、現在では赤いリンゴが40%、黄色いリンゴが60%になっているという。

赤いリンゴが減ってきている理由として、赤いリンゴは黄色いリンゴより手間がかかることが挙げられる。農家の人は赤いリンゴにするためにすごく手間をかけている。

「着色管理」といってあの赤色にするために、リンゴに日光をまんべんなく当てるため実を回したり、下から光を当てるため反射シートを敷いたりしている。10ヘクタールあたりの着色管理にかかる時間は赤いリンゴが62時間、黄色いリンゴが0時間である。しかも、日本の農業は高齢化しており、人手不足もあって、着色管理などの負担が大変になってきている。

そういう中で、手間のかからない黄色いリンゴにした方がよいのはないかという意見が出てきている。最近、黄色いリンゴにも美味しいものが出始めており、今までのように着色管理をしなくてもよい黄色いリンゴが増えて、赤いリンゴの作付面積が減ってきている。将来、赤いリンゴは日本から消滅する恐れがあり、「リンゴのように赤い」という言葉は、いつか使われなくなるかもしれない。

1本の木になった全てのリンゴの着色管理にかかる時間は2時間30分である。その手間を惜しまず、赤いリンゴを守り抜こうと懸命に栽培を続けている農家の人たちもいる。

2017/12/10

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カテゴリー「食べ物

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