現在、和牛は世界的にも大人気で、財務省の貿易統計を見ても和牛(冷凍日本産牛肉)の輸出量は年々増加する傾向にある。
黒毛和牛 サーロインステーキ
画像元:柿安
和牛の輸出先の第1位は意外にもカンボジアである。2位は香港、3位はタイ、4位はマカオ、5位はシンガポールとなっている。しかし、今のカンボジアは和牛を消費できるほど経済水準は高くない。カンボジアは大量に和牛を輸入しているにもかかわらず、カンボジア国内ではほとんど消費されていない。
それには意外な理由があり、中国が和牛を密輸している可能性がある。2001年(平成13年)に日本で発生したBSE(牛海綿状脳症)の影響で現在も中国では和牛の輸入が禁止されている。しかし、近年の中国富裕層の来日ブームの影響で和牛の人気は上昇し、中国では和牛の需要が高まっている。
輸入禁止の中国国内でも和牛はあるが裏メニューで、人の紹介がないと食べられないという。中国で和牛が出回っている問題は新聞各紙でも取り上げられており、「カンボジアなど5ヵ国を経由した和牛の価額が中国国内で20倍も高騰」などの記事になっている。中国の和牛密輸が後を絶たず、和牛の輸出先1位のカンボジアは密輸ルートの一つとなっている。
しかし、2017年(平成29年)6月、中国は和牛と同じくBSEの問題で輸入禁止だったアメリカ産牛肉の輸入を解禁した。そのため、和牛の輸入を解禁する日も近いのではと期待されている。
2017/11/28
カテゴリー「食べ物」