広島県広島市佐伯区に拠点を置く視覚障害者の集い「白い三輪車の会」が制定。
日付は国際盲人連盟(現:世界盲人連合)が1970年(昭和45年)に10月15日を「国際白杖の日」と定めていることから、日本でも同日を記念日としたもの。
同会では、自立と積極的な社会参加で視覚障害者の生活の向上を目指している。
視覚障害者が持つ白い杖「白杖」(はくじょう)の意味や役割を多くの人に知ってもらい、安全に歩行、生活できるようになるとともに、視覚障害者に対しての理解をより深めてもらうのが目的。記念日は2022年(令和4年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
世界盲人連合(World Blind Union:WBU)は、目の見えない盲人(もうじん)を含む視覚障害者の権利を守る目的で、1984年(昭和59年)に国際盲人連盟(International Federation of the Blind)と世界盲人福祉協議会(World Council for Welfare of the Blind)が合併して設立された世界盲人運動団体である。
約170ヵ国の盲人団体が加盟しており、日本からは日本盲人福祉委員会が設立当初から加盟している。運動団体として世界各国で点字を使う視覚障害者の権利を推進している。
英語の「blind」(ブラインド)は「目の不自由な、目の見えない、盲目の」という意味。また「白杖」は英語で「white cane」(ホワイト ケーン)となる。「cane」は葦(あし)や竹、サトウキビのような中が中空になっている植物を意味する言葉でもある。
この白杖は、世界中の視覚障害者が安心・安全に歩行するための道具として使用されている。昔から視覚障害者にとって杖は歩くためには欠かせない道具であったが、現在のように白く塗装を施した杖が考え出されたのは、第一次世界大戦以後のことである。
白杖の主な役割として、白杖を持つ人が視覚障害者であることを周囲の人に知らせること、歩行に必要な路面の情報を収集すること、障害物や段差などを検知し危険から身を守ることの3つが挙げられる。
白杖の地面側約20cmが赤色に塗装されている物は、路面の白い塗装や雪道に対応していると言われている。これら白色や赤色は注意喚起や視認がしやすい色であり、周囲の人に知らせる効果がある。