京都府京都市の祇園で400年以上の歴史をもつ京菓子の老舗・株式会社亀屋清永(かめやきよなが)が制定。
日付は同社が株式会社となった1990年(平成2年)10月1日から10月。創業が1617年(元和3年)であり、歴史の深さを大切にとの思いから西暦の最初の二桁の16を用いて16日としたもの。
同店は京菓子のルーツともいわれる「清浄歓喜団」(せいじょうかんきだん)をはじめとして、数々の伝統的な和菓子を取り揃えている。
店名である「亀屋清永」を知ってもらい、和菓子の魅力をより多くの人に伝えていくのが目的。記念日は2022年(令和4年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
亀屋清永が創業した当時、寺町三条北入に住居し、屋号は「亀屋冶兵衛」だったが、後に「亀屋清永」に改称した。
江戸幕府は1857年(安政4年)、有職故実(ゆうそくこじつ:昔の朝廷や武家の法令、行事、習慣などを研究する学問)にのっとり、和歌や俳諧などに取材して作る京菓子を守るため、上菓子司(じょうがしつかさ)を248軒に制限し、また、「禁裏御用達」(きんりごようたし:宮中へ品物を納入できる商家)の上菓子司をわずか28軒のみに許した。
これによって、菓子の本場は京都であるとの聞こえが高まった。なお、その28軒は「京御菓子司」(きょうおんかしつかさ)と呼ばれ、亀屋清永もその一軒だった。以降も「京御菓子司」の誇りと伝統を継承し、京菓子の発展に努力を重ねて今日に至る。
本店の目の前には、緑豊かな八坂神社、裏手には賑やかな祇園の町並みが見られる。京都を代表する静と動の真ん中で、亀屋清永の和菓子は育てられてきた。
同店で製造・販売される京菓子「清浄歓喜団」は、通年の和菓子で、奈良時代に伝わった唐菓子の一種「団喜」(だんき)である。略して「お団」と呼ばれている。
数多い京菓子の中で、千年の昔の姿そのままに、今なお保存されているものの一つで、この「清浄歓喜団」なしに和菓子の歴史を語ることはできない。亀屋清永はこのお菓子を製造する日本で唯一の和菓子処である。
「清め」の意味を持つ7種類のお香を練り込んだ「こし餡」を、米粉と小麦粉で作った生地で金袋型に包み、八葉の蓮華(れんげ)を表す八つの結びで閉じて、上質な胡麻油で揚げてある。
伝来当時は、栗・柿・あんず等の木の実を、かんぞう・あまづら等の薬草で味付けしたらしく、小豆餡を用いるようになったのは徳川中期の後と伝えられている。
亀屋清永は、その秘法を比叡山の阿闍梨(あじゃり:位の高い僧侶)より習い、月の一日、十五日を中心に調製している。もちろん精進潔斎(しょうじんけっさい:飲食を慎み、身体を清めること)の上、調進することは昔も今も変わらない。
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