ヒトの汗は無色透明だが、カバの汗はピンク色である。しかもその量は尋常ではなく、カバの体がみるみるうちに赤く染まるほどだという。
カバにとって汗はとても重要な役割を果たしている。アフリカに生息しているカバは、日中は川の中にいて、朝と夕方だけ草を食べるために岸へ上がってくる。この地上に上がるときに汗をかくのだ。カバの汗は肌の乾燥を防ぐ働きがあり、また、ピンクの色素には紫外線をカットする働きがある。カバはピンク色の汗で自分の身を守っているのである。
皮膚から分泌された瞬間はヒトと同じように無色透明であるが、汗の中に含まれる色素成分が空気に触れて酸化することで、ピンク色に変色する。また、カバの皮膚は丈夫そうに見えるが、実は一番外側の角質層は薄く、汗で表面を守る必要があるほど弱いのである。
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