「六本木ヒルズ」は震災の際、「5000人が逃げ込める街」

地震が起こった時の避難場所といえば学校や公園が思い浮かぶが、六本木ヒルズも避難場所になるという。六本木ヒルズはショップ・オフィス・映画館などがある複合施設で、震災の際は窓ガラスが割れるなどして危険な場所のようにも思えるが、「5000人が逃げ込める街」として設計されている。

六本木ヒルズには、非公開エリアで一般人が入ることができない地上45メートルの場所に、秘密の屋上庭園「けやき坂コンプレックス屋上庭園」があり、田んぼや枝豆畑まである。この屋上庭園の下には制震装置が設置されており、地震の際、屋上庭園がビルとは逆方向に揺れることで、建物全体の揺れを最小限に抑える働きがある。六本木ヒルズには他にも様々な制震装置があり、その数は500以上にもなる。東日本大震災の際、51階にある会員制のクラブではワイングラスが1つも倒れなかったという。

震災の際、避難した後に困るのが食糧・電気・寝る場所である。六本木ヒルズには、10万食を保管している備蓄倉庫があり、25mプールを埋め尽くす量の食糧や生活用品が蓄えられている。水やクラッカー、水を入れるだけでできるご飯やドライカレー、筑前煮まである。計算上、10万食あれば5000人が6日間暮らせることになる。他にも、熱さまシートや赤ちゃんのオムツも全サイズ取り揃える充実ぶり。また、重さたった50gで広げるとブランケットになる携帯用ブランケットも準備されている。

次に電気だが、六本木ヒルズで使っている電気は全てガスタービン発電機で自家発電している。そのため、周辺地域が停電しても六本木ヒルズは決して停電することがない。

最後に寝る場所だが、5000人が寝る場所として、普段は人が歩くオープンスペースで屋根もある「ウェストウォーク」が有事の際には避難場所として解放される予定だ。地面に空調の吹き出し口があり、冬の寒い時期に避難することになっても外冷えを和らげることができる。震災の際は、六本木ヒルズも避難する場所の候補に入れておくとよいだろう。

ちなみに、六本木ヒルズのビル高層階の非公開エリアに、1000分の1サイズの「東京の都市模型」がある。土地の高低差から建物まで忠実に再現したこの模型は総製作費が5億円とのこと。2020年東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の模型も作られていたり、2027年の渋谷をイメージして作られている。

リンク六本木ヒルズ

2016/9/17

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カテゴリー「生活・科学

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