ダンボールなどの厚手の物を切る時、これまでの普通のハサミで切る場合、ハサミの根元では切れるが、先の方では力を入れても切れないことが多い。
2012年(平成24年)にプラス株式会社から発売された「フィットカットカーブ」というハサミは、ハサミの根元でも刃先でも同じように切れる。このハサミが刃のどの部分でも切れるのには科学的な理由があり、それが「ベルヌーイの螺旋(対数螺旋)」である。
同社ではこのハサミの刃を「ベルヌーイカーブ刃」として新たに開発した。従来のハサミと刃のカーブが違い、根元から刃先まで切断に最適な刃の開き角度(約30°)を常に保つゆるやかなカーブを持っている。
ベルヌーイの螺旋の代表的な例として、オウムガイの殻や台風の渦、隼が獲物に近付く時の飛行などが挙げられる。ベルヌーイの螺旋の提唱者はスイスの数学者・科学者ヤコブ・ベルヌーイ(Jakob Bernoulli、1654~1705年)である。
ちなみに、「空気や水の流れがはやくなると、そのはやくなった部分は圧力が低くなる。はやく流れるほど圧力は下がる。」という「ベルヌーイの定理」の提唱者は別人のスイスの数学者・物理学者ダニエル・ベルヌーイ(Daniel Bernoulli、1700~1782年)で、ヤコブ・ベルヌーイの甥に当たる。
リンク:フィットカットカーブ(プラス)
2017/8/14
カテゴリー「生活・科学」