年末の荒修行「行者の火渡り」は熱くない

無病息災・身体健全を祈願して年末に行われる行事「行者の火渡り」は、行者にとって最も過酷な修行の一つとされている。炎の温度は800℃にまで達するが、実は火渡りは熱くないという。

火渡りとは、熱した炭を敷き詰めたその上を裸足で歩くことである。火渡りでは薪を燃やすが松が使われることが多い。木の種類によって熱の蓄え方が違い、松は灰が多く、温度が上がりにくい。そして、足の裏は皮膚が厚い上に水分量が多く、熱がすぐに伝わりにくい。しかも、足の裏に塩を擦り込むことによって、ますます熱が伝わりづらい状況を作っている。このように全てが熱を伝えづらいシステムになっているため、熱くないのである。

2017/8/30

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カテゴリー「歴史・文化

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