プロ棋士が公式戦で使う将棋の駒は最高級の材木である「ツゲ(柘植、黄楊)」が使われている。
その駒をよく見ると木目など1枚1枚風合いが違うため、最も良い駒は当然「王将」に使われる。王将以外にも最高級の木が使われる駒が「金」である。
将棋の駒は70万円以上と驚くほど高いものから安いものまである。その違いはどんな木が使われているかが大きなポイントになる。高価な木は切った時に「鮮やかな模様」が浮き出るもので、木地がよく見える駒に良い木が使われる。王将と金に最も良い木が使われるのは、裏に文字が書かれていないことがその理由の一つである。見る人が見れば王将と金の裏の美しい木目だけで、良い木を使っていることが分かる。
成長に時間が掛かるツゲの材木は、木目が細かく緻密で、水分の通路である道管が均一に分布する散孔材で、加工後の狂いが生じにくい。また、乾燥後の比重は0.8で硬く、黄色みを帯びて美しい。こうした特徴により、古来、細工物の材料として親しまれ、将棋の駒の他、印鑑や版木、そろばんの珠、三味線のバチ、彫刻、ブローチなどに用いられてきた。
ちなみに、上の画像の駒は将棋駒師の大竹竹風(おおたけ ちくふう)作の菱湖(りょうこ)書体、竹風ならではのよく揃った深い虎斑の色目の良い逸品で、1組の希望小売価格は108万円(税込)、販売価格は75万6千円(税込)となっている。
引用元:三輪碁盤店
2017/12/29
カテゴリー「歴史・文化」