各メディアで映画や大学などの人気ランキングを見ることがあるが、それらのランキングはそのまま鵜呑みに出来ないちょっとした裏側もある。
日本国内の歴代興行収入ランキングのトップ10には1993年(平成5年)より前の作品は入っていない。これには1993年に映画の入場料が1,800円になったことが関係していて、1993年より前は入場料が1,500円など安かった。そのため、過去作の方が不利なランキングであると言える。ちなみに、興行収入とは映画館の入場料金収入のことである。
順位 | 作品 | 公開年 | 興行収入 (億円) |
---|---|---|---|
1 | 千と千尋の神隠し | 2001 | 308.0 |
2 | タイタニック | 1997 | 262.0 |
3 | アナと雪の女王 | 2014 | 255.0 |
4 | 君の名は。 | 2016 | 250.3 |
5 | ハリー・ポッターと賢者の石 | 2001 | 203.0 |
6 | ハウルの動く城 | 2004 | 196.0 |
7 | もののけ姫 | 1997 | 193.0 |
8 | 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! | 2003 | 173.5 |
9 | ハリー・ポッターと秘密の部屋 | 2002 | 173.0 |
10 | アバター | 2009 | 156.0 |
11 | 崖の上のポニョ | 2008 | 155.0 |
12 | ラストサムライ | 2003 | 137.0 |
13 | E.T. | 1982 | 135.0 |
13 | アルマゲドン | 1998 | 135.0 |
13 | ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | 2004 | 135.0 |
1993年より前の作品としては13位に1982年(昭和57年)に公開された『E.T.』が入っている。『E.T.』の入場料を当時1,500円ではなく1,800円だったと仮定してみると、『E.T.』の興行収入は162.0億円になり、10位の『アバター』を抜いてトップ10入りすることになる。
引用元:CINEMAランキング通信
以下の表は2017年(平成29年)に大学通信社が発表した私立大学の志願者数ランキングである。
順位 | 大学 | 志願者数(人) |
---|---|---|
1 | 近畿大学 | 14万6896 |
2 | 法政大学 | 11万9206 |
3 | 早稲田大学 | 11万4983 |
4 | 明治大学 | 11万3507 |
5 | 日本大学 | 11万2583 |
6 | 東洋大学 | 10万1180 |
7 | 立命館大学 | 9万6126 |
8 | 関西大学 | 8万4586 |
9 | 千葉工業大学 | 7万4466 |
10 | 中央大学 | 7万4029 |
近畿大学は4年連続1位で、近年ではマグロの完全養殖(近大マグロ)などで話題となった。一方、有名で人気もありそうな慶應義塾大学はこのランキングに入っていない。この志願者数ランキングは慎重に捉えなければいけない点がある。
最近では1回の試験で複数の学部を受けることが出来る大学が増えている。他にも、受験料は1回分で同じ学部のA日程・B日程・C日程の3回の試験にエントリーすることが出来るようなシステムもある。この場合、総志願者数は1人ではなく3人でカウントされる。複数の学部を併願する場合も同じようにプラスしてカウントされる。そのため、この志願者数ランキングは人気をそのまま表しているとは言えない点がある。
現在、少子化の中で私立大学も経営に苦労しており、自分の大学にはこんなにも多くの生徒が受験しているのだとアピールしたい思いもある。そして、決して嘘を発表しているわけではないというのもまた事実である。
引用元:読売新聞
2018/1/16
カテゴリー「歴史・文化」