毎月10日は「金毘羅(こんぴら)の縁日」である。1月10日は一年最初の縁日であり、「初金毘羅(はつこんぴら)」と呼ばれている。
「金毘羅」は「金比羅」とも表記される。香川県琴平町(ことひらちょう)の象頭山(ぞうずさん)中腹にある金刀比羅宮(ことひらぐう)は、近世では金毘羅大権現や金比羅さん、さぬきのこんぴらさんの呼び名で知られる。
この讃岐の金刀比羅宮は、日本全国に存在する金刀比羅神社・琴平神社・金比羅神社の総本宮でもある。金毘羅権現(こんぴらごんげん)は、海上交通の守り神として信仰されており、漁師・船員など海事関係者の崇敬を集める。
江戸時代、船による流通が盛んになったことで、海運業者や商人によって金毘羅信仰が日本中に広められた。これらのことから、一般に大きな港を見下ろす山の上に金刀比羅神社や琴平神社が建てられており、現在では分社が日本全国に約600社ある。