北海道歌志内市出身の作家・高橋揆一郎(たかはし きいちろう)の2007年(平成19年)の忌日。
「氷柱忌(つららき)」の名称は、三回忌にあたる2009年(平成21年)に市民有志の実行委員会により、その時節と名作『氷かんざし』にちなんで命名された。毎年この日には、揆一郎を偲ぶ集いが行われる。また、市内にある郷土館「ゆめつむぎ」では、「氷柱忌」の展示コーナーが開設されている。
1928年(昭和3年)4月10日に歌志内市で生まれる。本名は良雄(よしお)。住友石炭鉱業に入社し、社内報の編集に携わる。退社後、同人誌『くりま』に加わり、執筆に専念する。
1973年( 昭和48年)に「ぽぷらと軍神」で文學界新人賞を受賞してデビュー。1977年(昭和52年)に北海道新聞文学賞を受賞した「観音力疾走」などは芥川賞候補に。1978年(昭和53年)に「伸予」で北海道在住の作家としては初めて芥川賞を受賞した。
郷里北海道に留まって、生活者への共感を作品化し続けた。78歳で死去。このほかの作品に新田次郎文学賞を受けた自伝的作品『友子』などがある。歌志内公園の一角に文学碑が建立されている。