小説家・尾崎士郎(おざき しろう)の1964年(昭和39年)の忌日。
代表作の新聞連載小説『人生劇場』の主人公・青成瓢吉から「瓢々忌(ひょうひょうき)」と呼ばれる。
1898年(明治31年)2月5日に現在の愛知県西尾市に生まれる。早稲田大学政治学科に在学中、社会主義運動に関わり、大学を中退する。堺利彦、山川均ら社会主義者と交わり、1921年(大正10年)に大逆事件を取材した『獄中より』で社会主義の作家として出発する。
小説家・宇野千代と結婚するが、後に離婚となる。1933年(昭和8年)から都新聞に青春小説『人生劇場』を連載する。これが大ベストセラーとなり、以後20年以上も執筆し続ける大長編となる。
歴史小説『成吉思汗』『篝火』などを発表。第二次大戦後も多くの歴史小説を書き、中間小説作家として活躍する。義理・人情といった日本人の伝統的心情のあふれた作風と庶民的な人柄が人々に親しまれている。
直腸癌により66歳で死去。文化功労者が追贈された。弔辞は親友の川端康成が読み哀悼の意を表した。その他の作品に『天皇機関説』、自伝随筆集『小説四十六年』、『一文士の告白』などがある。