東京・銀座3丁目に本店を置く、1947年(昭和22年)創業の老舗洋食店「株式会社銀座スイス」が制定。
日付は「銀座スイス」の創業日である1947年(昭和22年)2月22日から。
国民的人気メニューであるカレーライスにカツを乗せたカツカレー。1948年(昭和23年)に同店を訪れたプロ野球巨人軍の名二塁手の千葉茂(ちば しげる、1919~2002年)のリクエストから誕生し、あっと言う間に全国に広まった。
「カツカレー発祥の店」として知られる同店の、記念日を通じてカツカレーの美味しさを全国でカツカレーを提供する店とともに盛り上げたいとの願いが込められている。記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
銀座スイスの創業者・岡田進之助は1895年(明治28年)に四谷で誕生した。独学でフランス語を学び、全てのメニューをフランス語で書き、パーティ料理を得意としていた。
混沌とした終戦後、外地より帰還した息子達を中心に戦前・戦中に高価であった西洋料理を「より多くの方に食してもらおう」という理念のもと、1947年(昭和22年)に「グリルスイス」(GRILL SWISS)を銀座7丁目で誕生させた。
1948年(昭和23年)当時、巨人軍のユニフォームは「銀座テーラー」にて作っていた。その店主からお店に訪れた千葉に紹介されたのが同店「銀座スイス」だった。銀座テーラーから、多摩川の練習の帰りや試合前・試合後または、プライベートなどでと同店をよく訪れた。
とある巨人・阪神戦の前、お腹がすいて沢山食べたいし、早くも食べたい、ガツンといっきに食べたく思い付いたのが、「カレーライスにカツレツを乗っけてくれ!」だった。今ではトッピングは普通だが、当時、カレーライスに何かを乗せる発想はなかった。
千葉はカレーライスとカツレツは大好物、そしてカツレツは勝負に勝つ(カツ)という、験(げん)を担ぎ、試合前によく食べていた。千葉が美味しそうに食べる姿と、見た目のボリューム感や美しさで、さっそくメニューに加え、同店の人気メニューになったことはもちろん、あっと言う間に全国的に広がった。
銀座で生まれたもの・発祥のものでは、木村屋の「あんぱん」や、寿司屋・久兵衛の「軍艦巻き」など数多くあるが、銀座スイスの「カツカレー」もその中の一つである。
当初はカツカレーは正式メニューではなく特別メニューだった。当時のメニュー表には「特別料理」の欄に「カツレツ カレー」と記載されていた。1949年(昭和24年)の銀行員の初任給が3000円の時代に、カツレツ・カレーは180円だった。