1670年(寛文10年)のこの日、日本の土木史上重要な意味を持つ深良用水(ふからようすい:箱根用水)が完成した。
江戸時代前期の1666年(寛文6年)に工事を開始。神奈川県と静岡県の境界にある湖尻峠に約1200メートルのトンネルを掘って、芦ノ湖の水を富士山麓の数か村に導く用水で、駿河国駿東郡深良村(現:静岡県裾野市)の名主・大庭源之丞(おおば げんのじょう)らが中心となって5年かけて完成させた。
現在に至るまで、静岡県の裾野市、御殿場市、長泉町および清水町の一部事務組合である芦湖水利組合により、灌漑用水、生活用水、防火用水、東京発電による水力発電用水として利用されている。しかし、現在は2級河川の芦ノ湖の管理者は河川法により神奈川県となっている。
日本を代表する用水の一つとして農林水産省の疏水百選に選定され、2014年(平成26年)には国際かんがい排水委員会によるかんがい施設遺産にも登録された。