1914年(大正3年)のこの日、東京・上野の大正博覧会の会場に日本初のエスカレーターが設置され、この日運転試験が行われた。第1会場と第2会場をつなぐもので、秒速1尺(約30センチ)で動いた。
3月29日に、エスカレーターの振動のために74才の女性が振り落とされて顔に2週間のケガ、2歳の少女がステップに足をはさまれてケガをした。これが日本初のエスカレーター事故であった。
エスカレーター(Escalator)とは、自動階段のことで、主に人が建物の各階を移動する目的で設置・利用される階段状の昇降装置である。
「Escalator」という語は元々、アメリカの企業オーチス・エレベーター社(Otis Elevator Company)の登録商標で、商品名だった。しかし、当時この自動式階段を表す適当な語句が他になく、一般に「エスカレーター」と呼ばれたため、普通名称化した経緯がある。同社では既に商標権を放棄している。
日本の百貨店へのエスカレータ普及期にあっては、エスカレーターの脇にエスカレーターガールという女性が立って乗り込みの案内をしていたことがあった。
日本で最も長いエスカレーターは、香川県丸亀市にあるニューレオマワールドのエスカレーター「マジックストロー」が高低差42m・全長96mで日本一となっており、乗車時間は3分14秒である。
最も長いエスカレーター「マジックストロー」
画像元:ニューレオマワールド
最も短いエスカレーターは、川崎駅前の地下街アゼリアと川崎岡田屋モアーズ地下2階を結ぶ下りエスカレーターで、高低差83.4cm、段数はわずか5段、乗車時間はたった5秒である。1991年(平成3年)度版ギネスブックに掲載されている。また、応募により「プチカレーター」の愛称が付いている。
最も短いエスカレーター「プチカレーター」
画像元:Wikipedia
日本初の屋外エスカレーターとして1959年(昭和34年)に開業した神奈川県藤沢市・湘南江ノ島の「江ノ島エスカー」、福島県会津若松市にある「飯盛山スロープコンベア」、この2基は通行料を徴収する非常に珍しいエスカレーターである。