1877年(明治10年)のこの日、東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され、会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が作られた。
博覧会の開催日が8月21日で、噴水が落成したのは9月8日であった。西南戦争開戦の中、日本で初めての内国勧業博覧会の開場式が行われた。
この博覧会は、日本が参加した4年前の1873年(明治6年)のウィーン万国博覧会を参考に、初代内務卿・大久保利通(おおくぼ としみち、1830~1878年)が推し進めたものであった。閉場は同年の11月30日で、日数は102日、入場者数は約45万人であった。
日本で最も古い噴水は石川県金沢市にある兼六園の噴水という情報もあり、これは1861年に加賀藩主・前田斉泰(まえだ なりやす、1811~1884年)が金沢城内に作らせたものである。ポンプなどの動力は使われておらず、高低差を利用した位置エネルギーのみで動いている。
その他、長崎県長崎市にある長崎公園の噴水も装飾噴水としては古いとされる。この噴水は1878年(明治11年)に出版された「長崎諏方御社之図」を基に復元したものである。
噴水の高さ日本一は、山形県西村山郡西川町にある寒河江(さがえ)ダムにより形成された人造湖の月山湖(がっさんこ)において稼働している「月山湖大噴水」で、112mの高さまで噴き上げることができる。季節によって打ち上げる噴水の形が変わり、夜間にはライトアップも行われ幻想的な情景となる。
噴水は、古くから広場や庭園、公園などに設置され、人々のオアシスとして親しまれてきた。古代メソポタミアやアッシリアの遺跡から、噴水を設ける水盤や、階段上の噴水跡が発見されている。「噴水」は英語で「fountain」となる。