「御園竹」「牧水」などの銘柄で知られ、長野県佐久市(旧:望月町茂田井)にある明治元年創業の老舗の蔵元・武重本家酒造株式会社が制定。
日付はどぶろくのシーズンが始まる10月下旬であり、「ど(10)ぶ(2)ろ(6)く」と読む語呂合わせから。濁酒(どぶろく)の魅力を広めることが目的。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
同社では「十二六 甘酸泡楽(じゅうにろく かんさんほうらく)」略して「どぶろく」という濁酒を販売している。「十二六」は昔からあるどぶろくを現在の味覚に合わせた全く新しい酒。よくすりつぶした米こうじ、これと水だけでどぶろくはできあがる。こうじの力で米から十分な甘みがでる。それを酵母がアルコールと炭酸ガスに変える。 米の甘味十分に、キリリとした酸味、程よい刺激の炭酸の泡。この酒ほど口の中が楽しくなる酒も珍しい。
どぶろく(濁酒)とは、発酵させただけの白く濁った酒のこと。もろみ酒、濁り酒(にごりざけ)、濁酒(だくしゅ)、白馬(しろうま)ともいう。米を使った酒類では最も素朴な形態と言われる。
炊いた米に、米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させることによって造られる、日本酒(清酒)の原型である。どぶろくを沈殿濾過することで清酒を作ることも可能。清酒に比べ濾過が不十分であるため、未発酵の米に含まれる澱粉(デンプン)や、澱粉が分解した糖により、ほんのり甘い風味であるが、アルコール度は清酒と同程度の14~17度にもなるため、口当たりの良さがあだとなってつい飲み過ごして悪酔いしやすい。
「どぶろく」の語源は定かではないが、平安時代以前から米で作る醪(もろみ)の混じった状態の濁酒のことを濁醪(だくらう)と呼んでいたのが訛って、今日のどぶろくになったと言われる。
どぶろくは酒蔵だけでなく、かつては各家庭、農家などでも一般に製造されていた。しかし、明治時代に酒造税(1940年以後、酒税)が制定され、やがてどぶろくの自家醸造も禁止された。自家醸造を禁止した理由は日清・日露戦争で酒税の大増税を繰り返した際にその負担に耐え切れないとする醸造業者に増税を許容してもらうための一種の保護策であったとも考えられている。
韓国の「マッコリ」は、日本の「どぶろく」に相当する白く濁った酒である。新米で作ったマッコリが市場に出回り始める時期から、10月最終木曜日は「マッコリの日」となっている。