ベン・ジョンソンは1961年12月30日生まれのジャマイカ出身で、少年時代にカナダに移民し、陸上競技のトレーニングを始めた。
彼が有名になったのは1987年(昭和62年)の世界選手権男子100mでカール・ルイス(アメリカ)を破り、9秒83の世界新記録を樹立して優勝したことによる。低い姿勢で序盤から最高速を出す「ロケットスタート」を得意としていた。
翌1988年(昭和63年)、第24回ソウルオリンピックの100m決勝で9秒79の世界新記録を樹立して優勝した。しかし、その2日後、筋肉増強剤「スタノゾロール」の使用によるドーピングの陽性反応が出たことで、世界記録と金メダル剥奪という世紀のオリンピック追放劇が起こった。
ベン・ジョンソンは「何者かに陥れられた」という陰謀説を主張し、カール・ルイスが優勝することでスポンサーに莫大なお金が入ったことから、お金が絡んでいたという説もあった。真実は不明だが、金メダルの剥奪後、日本ではベン・ジョンソンのテレビCMが打ち切られた。その後、陸上競技大会への復帰が認められ、1992年(平成4年)の第25回バルセロナオリンピックでカナダ代表として3度目のオリンピック出場を果たし、100mに出場したが、準決勝で敗退した。しかし、その後出場した大会で再びドーピングの陽性反応が出たため、公式の陸上競技大会からは事実上永久追放された。
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