世界でも類を見ないほど表現が多彩な日本語。特に花にまつわる表現は花盛り、花笑み、花冷え、木の花、花園など数え切れないほど存在する。
数多くの俳人や詩人がこぞって独自の表現を求めた花の散り際。桜(サクラ)は「散る」と表現するが、「花が散る」という言葉は花の種類によって表現が変わる。
梅(ウメ):こぼれる
梅の花は背が低く目の高さからポロポロと落ちていくことから「こぼれる」という表現になった。
牡丹(ボタン):くずれる
牡丹は花びらが1枚ずつ一気に散っていくことから「くずれる」という表現になった。
朝顔(アサガオ):しぼむ
朝顔は早いものは昼前で花が閉じることから「しぼむ」という表現になった。
菊(キク):舞う
菊は枯れると花びらが残り、垂れていく。その垂れた花びらが風に吹かれてまるで踊っている様に見えることから「舞う」という表現になった。
椿(ツバキ):落ちる
椿は花びらと雄しべがつながっている構造をしており、花ごとポトリと落ちることから「落ちる」という表現になった。
紫陽花(アジサイ):しがみつく
紫陽花は比較的長く楽しめる花だが、枯れて色が変わってもいつまでも花が付いていることから「しがみつく」という表現になった。
雪柳(ユキヤナギ):吹雪く
雪柳は本当に雪のようにぶわっと散ることから「吹雪く」という表現になった。
2016/10/13