利尻昆布とは、北海道の利尻島や礼文島で採れた昆布のことで、甘味やコクがあり、希少で美味しいと評価されている。例年の利尻昆布は20kgで約14万円のところ、1991年(平成3年)ものの利尻昆布は20kgで100万円以上で、7倍以上の値段がするという。
平成3年ものの利尻昆布で出汁を取ると、他の年の出汁に比べて見た目で分かるほど色が濃くなる。特に平成3年ものが美味しい理由としては、成長盛りの3~4月の日照時間が非常に重要で、平成3年は春先の気候、特に日照時間と気温が昆布が美味しく育つのに最適だったことが挙げられる。
恵まれた気候によって生まれた大きな違いが、平成3年ものの昆布は表面に白い粉が付いて、白くなっていること。これは昆布の大切な旨味成分である糖アルコールの一種のマンニット(マンニトール)による白さである。
マンニットは昆布が成長期に日光を浴びて光合成をすることで作られる。昆布の表面が白くなっているほどマンニットが多く作られている証拠となる。平成3年ものの利尻昆布は、マンニットが豊富で甘味が多く、まろやかな風味を醸し出す。
そんな平成3年ものの利尻昆布は、福井県敦賀市にある専用の昆布蔵に保管されている。これは古くから北海道で取れた昆布などの産物は、敦賀市を経由して京都や大阪へ運ばれているためである。
2017/5/6
カテゴリー「食べ物」