普通の玉ねぎは、みじん切りなどをすると目が痛くなり、涙が出てしまう。一方、「スマイルボール」という玉ねぎは、見た目も中身も普通の玉ねぎと同じように見えるが、近くで切っても涙は出ない。また、生で食べても辛くないという特徴がある。
普通の玉ねぎの場合、包丁で切って細胞が壊れた時に涙が出る成分「催涙成分」が発生する。スマイルボールはハウス食品が開発した玉ねぎで、10年以上の研究を重ねて、催涙成分だけを少なくすることに成功した。
催涙成分は目に入ると涙を出させるが、口の中ではヒリヒリとした辛みになる。そのため、催涙成分の少ないスマイルボールは食べても辛くないため、水にさらす必要はなく、玉ねぎ本来のやさしい甘さを感じられる。
玉ねぎの催涙成分が作られる仕組みを研究により解明したハウス食品は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるイグ・ノーベル賞の化学賞を2013年(平成25年)に受賞した。その後、涙が出ない玉ねぎ「スマイルボール」をさらなる研究の末に誕生させた。
2015年(平成27年)から都内のデパートなどで、スマイルボールは期間・数量限定で発売されている。スマイルボールの形は、普通の玉ねぎよりも縦長なのが特徴である。
涙を流さなくなることに加えて、全てのお客様が笑顔になる新しい玉ねぎでありたい。既存の玉ねぎにとらわれず、新しい食べ方や食シーンをお客様とともに(キャッチボールをしながら)創造できる玉ねぎでありたいことから、「笑顔」と「ボール」を組み合わせた「スマイルボール」という名前になった。
2017/7/1
カテゴリー「食べ物」