死に際の悪かった祈祷僧ラスプーチン

グリゴリー・ラスプーチン(1869~1916年)は、1900年代初頭に現れた神秘的な力を使ったロシアの祈祷僧である。特殊な能力で人々の病気を治療したことから、付けられた異名は「神の人」だった。

グリゴリー・ラスプーチン
画像元グリゴリー・ラスプーチン(Wikipedia)

ロシア皇帝の息子ニコライ二世の難病までをも治療したことから、ラスプーチンは次第に皇帝を意のままに操るようになった。しかし、その横行が次第に反感を買い、1916年(大正5年)に政治家たちの手によって暗殺されてしまう。

この時の死に際について殺した方の皇族の記録の中に書いてある。それによると、頭蓋骨が壊れるほど鈍器で殴ったが、それでも死なないので銃で4発撃った。まだ死なないので、むしろにくるんで川に放り込んだら、死因は結局「溺死」だった。つまり、川に放り込んだ時点ではまだ生きていたという死に際の悪さだった。

ロシア帝国崩壊の一因をつくり、歴史的な人物評はきわめて低い反面、その特異なキャラクターから映画や小説など大衆向けフィクションの悪役として非常に人気が高く、彼を題材にした多くの通俗小説や映画が製作されている。

2017/9/22

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カテゴリー「歴史・文化

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