上野動物園が開園するなど庶民たちに動物が身近になった明治時代の地理の教科書についてのお話である。
1882年(明治15年)に日本初の動物園である恩賜上野動物園が開園した。庶民たちに動物が身近な存在となったその頃、学校教育が根付き始め、1886年(明治19年)に小学校令により義務教育の期間が3~4年に制定された。
学校において不慣れな先生が生徒に指導しやすいように教科書には様々な工夫が施されていた。1902年(明治35年)に発行された『最近 中学地理教科書 日本之部』の中で、日本列島は動物の姿に例えて指導されていた。
北海道は「鳥の翼の如く」、四国は「蝙蝠(コウモリ)の如く」とここまでは比較的納得できる。本州は空想上の生き物「龍の如く」とかなり強引である。そして、秀逸な例えと評判だった九州は「猿の舞ふが如く」と解説されていた。
九州は古くから猿に縁のある地域で、長崎県には猿の横顔に見える「猿岩」、宮崎県には猿だけが住む「幸島」、大分県には多くの猿が生息する「高崎山」などがある。
引用元:林先生が驚く初耳学!(2018/1/14放送)、壱岐観光ナビ
2018/1/19
カテゴリー「地理・地名」