東京消防庁による「出初式(でぞめしき)」は、年の初めに同庁の消防署員らが消防動作の型などを演習・披露する行事である。
1659年(万治2年)正月4日に、旗本が率いる定火消(じょうびけし:江戸幕府の職)が上野東照宮で一年の働きを誓ったことに由来するとされる。当時、江戸の町は、1657年(明暦3年)に発生した「明暦の大火」により未だ焦土のなかにあり、町民は苦しい復興作業にあたっていた。
東京以外でも消防関係者により、この日を中心として仕事始めの行事である「出初式」が行われる。新春恒例行事の一つであり、「出初式」は新年の季語となっている。
「出初式」では一斉放水・避難救助などの消防演習、梯子乗り(はしごのり)・木遣り歌(きやりうた)など伝統技能の披露、消防団・消防車のパレード、消防職員・消防団員・消防功労者に対する表彰などが行われ、そのほか地域によって様々な行事が行われる。
2021年(令和3年)の「東京消防出初式」は、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み、無観客で実施される。一方、YouTube東京消防庁公式チャンネルにて生配信が行われる。配信は9時30分からスタートで、生配信終了後も視聴可能の予定である。