『路傍の石』などで知られる小説家・劇作家の山本有三(やまもと ゆうぞう)の1974年(昭和49年)の忌日。
命日の1月11日は、1月11日の数字の並びと有三の「三」の字にちなみ、「一一一忌(いちいちいちき)」と呼ばれている。
1887年(明治20年)に呉服商の子として栃木県に生まれる。本名は勇造。東京帝大在学中に芥川竜之介らと第3次『新思潮』を創刊。社会劇・歴史劇を次々に発表し、大正末期より小説に転じる。戦後は参議院議員となり、国語問題などにも尽力した。1965年(昭和40年)に文化勲章を受章。86歳で死去。
戯曲に『嬰児殺し』『坂崎出羽守』、小説に『波』『女の一生』『真実一路』『路傍の石』などがある。これらの小説は、社会的視野に立って生活の中の理想と現実の相克を追求し、広い読者層から支持された。