1949年(昭和24年)のこの日、世界最古の木造建築である奈良・法隆寺の金堂で火災が発生し、世界的にも有名であった金堂の壁画のほとんどが焼失してしまった。
火災の原因について、公式には壁画模写の画家が使っていた電気座布団の漏電による出火とされている。この事件は国民に強い衝撃を与え、火災など災害による文化財保護の危機を深く憂慮する世論が高まった。
この火災を教訓に1955年(昭和30年)、文化財を火災や震災などの災害から守ることを目的に、当時の文化財保護委員会(現:文化庁)と国家消防本部(現:消防庁)が記念日を制定。この日は「文化財を火災から守ろう」のスローガンのもと、寺社など全国各地の文化財施設で大規模な防火訓練が行われる。
また、この火災をきっかけとして、文化財の保護についての総合的な法律として、1950年(昭和25年)に「文化財保護法」が公布・施行された。これに由来して、5月30日は「文化財保護法公布記念日」、8月29日は「文化財保護法施行記念日」となっている。