児童文学作家・新美南吉(にいみ なんきち)の1943年(昭和18年)の忌日。
「貝殻忌」の名前は1934年(昭和9年)に書かれた詩『貝殻』にちなむ。半田市にある「新美南吉記念館」ではこの日を中心として講演会や紙芝居、朗読コンサートなどのイベントが開催される。
1913年(大正2年)7月30日に現在の愛知県半田市に生まれる。本名は正八(しょうはち)。東京外国語学校英文科を卒業。地方で教師も務める。
1931年(昭和6年)の中学卒業前後に書いた『ごん狐』『正坊とクロ』などの童話が鈴木三重吉に認められ、児童雑誌『赤い鳥』に掲載される。その縁で巽聖歌、与田凖一などの童謡同人誌『チチノキ』に参加、多くの童謡を発表する。
1942年(昭和17年)に初の童話集『おぢいさんのランプ』を刊行するが、結核により29歳の若さで死去。没後に童話集『牛をつないだ椿の木』『花のき村と盗人たち』などが刊行される。その近代性が高く評価され、宮沢賢治と並び称せられる。