神奈川県伊勢原市に事務局を置き、プロバイオティクスの研究などを手がける一般社団法人・日本プロバイオティクス学会が制定。
日付は1982年(昭和57年)4月14日にオーストラリアの消化器病医のウォーレン博士とマーシャル博士の二人によって胃粘膜からピロリ菌発が発見されたことから。
記念日を通してピロリ菌の検査を促し、ピロリ菌の除菌により胃がんの発生や死亡率を減らす効果を啓発するとともに、ピロリ菌の感染予防、除菌が成功した後も胃がんを早期発見するための定期的な検診の必要性などを再認識してもらうことなどが目的。記念日は2022年(令和4年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
胃の内部は、胃液に含まれる塩酸によって、pH1の強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていた。しかし、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)はウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって、胃へ定着(感染)している。この菌の発見により、動物の胃に適応して生息する細菌が存在することが明らかにされた。
ピロリ菌の感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌や MALTリンパ腫やびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫などの発生に繋がることが報告されているほか、特発性血小板減少性紫斑病、小児の鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹などの、胃外性疾患の原因となることが明らかとなっている。