謡曲や浄瑠璃の『隅田川』の題材となっている、吉田少将惟房の子・梅若丸(うめわかまる)の976年(貞元元年)の忌日。
元々は陰暦3月15日であるが、現在は月遅れの4月15日に行われる。東京都墨田区堤通にある木母寺(もくぼじ)の梅若塚で供養が行われ、謡曲や浄瑠璃が披露される。ちなみに木母寺の名前は、梅の字を分けて付けられたものである。
梅若丸は京都北白川の吉田少将の遺児で、人買いに誘拐されて奥州に下る途中で病にかかり、隅田川の堤の上で「尋ね来て 問はば答へよ 都鳥 隅田川原の 露と消えぬと」という歌を残してわずか12歳の生涯を閉じた。これを哀れんだ里人は、柳を植えた塚を築いて、手厚く弔った。そして一周忌の供養の際、京都から尋ねてきた母はそれを知って悲しみに暮れたという。