ヴァルプルギスの夜(ドイツ語:Walpurgisnacht)とは、北欧・中欧で広く行われる行事で、5月1日に開催される春を祝う祭り「五月祭(May Day)」の前夜祭である。
「五月祭」が開催される5月1日は、魔封じの聖人ヴァルプルギスの聖名祝日であり、ドイツの伝承では、魔女・魔術師たちがブロッケン山に集まって大規模な祭り(サバト:Sabbath)を開き、聖ヴァルプルギスに対抗し、春の到来を待つという。
現在に残っている行事は、国や地域により異なるが、この日にかがり火を焚く風習が残っていたり、祝宴が開かれたりする。
箒(ほうき)に乗った魔女たちが集まったとされるブロッケン山は、中央ドイツ北部にあるハルツ山地の最高峰であり、ブロッケン現象の名前の由来にもなっている。
ブロッケン現象とは、太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲や霧によって光が散乱され、見る人の影の周りに虹色の光の輪が現れる自然現象である。この現象が最初に報告されたのがブロッケン山である。