もともと、太陰暦を基本としている日本の旧暦では暦日と季節が最高で半月もずれるため、太陽暦を基本とした雑節として起こり広まったものである。21世紀初頭の現在では5月1日または5月2日となる。数十年以上の期間では、「立春」の変動により5月3日の年もある。
「八十八夜」の日付は以下の通り。
「八十八夜の別れ霜」や「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期である。一般に霜は八十八夜頃までといわれているが、「九十九夜の泣き霜」という言葉もあり、5月半ばごろまで泣いても泣ききれないほどの大きな遅霜の被害が発生する地方もある。
それ以上に、旧暦では暦日と季節が最悪で半月もずれることから、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られた。「八十八夜」は日本独自の雑節である。
農家では「八十八夜」を種まきや茶摘み、その他の農作業開始の基準としている。また、この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。
茶の産地である埼玉県入間市や狭山市・静岡県・京都府宇治市では、新茶のサービス以外に手もみ茶の実演や茶摘みの実演など、一般の人々も参加するイベントが行われる。