株式会社鮒忠(ふなちゅう)が提唱する「うなぎの未来を考える日」普及推進委員会が制定。
日付は2009年(平成21年)5月22日にマリアナ諸島付近にて、世界で初めて天然ニホンウナギの卵を採取することに成功し、うなぎの完全養殖化への道が開けたことから。限りある天然資源であるうなぎを絶滅から守り、うなぎの生態と正しい食文化を広めて後世に残すことが目的。記念日は2019年(平成31年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
鮒忠は、東京都台東区浅草に本社を置き、レストラン・フランチャイズ・食品加工販売などの事業を展開している。同社の創業者・根本忠雄は「焼き鳥の父」と呼ばれており、同社は8月10日を「焼き鳥の日」に制定している。
日本では主にニホンウナギで蒲焼や鰻丼などの調理方法が考案され、ウナギは古くから日本の食文化に深い関わりを持つ魚である。漁業・養殖ともに日本では広く行われてきたが、現在商業化されている「養殖ウナギ」は天然稚魚を育てたものである。
養殖に必要となる稚魚は海外から輸入されているが、出所の不透明さが指摘されているほか、天然資源が枯渇すると養殖不可能となる問題もある。天然稚魚の減少もあり、天然稚魚を必要としない受精卵からの「完全養殖」が進められている。
2010年(平成22年)、水産総合研究センターが受精卵から人工孵化したウナギを親ウナギに成長させ、さらに次の世代の稚魚を誕生させるという完全養殖に世界で初めて成功したと発表。その後、孵化直後の稚魚の餌など様々な問題を解決してきたが、完全養殖の商業化についてはコスト面で課題が残されているのが現状である。