1955年(昭和30年)のこの日、岩波書店の国語辞典『広辞苑』(こうじえん)の初版が発行された。
記念日の名称は「広辞苑の日」という表記も確認できる。
『広辞苑』は、1935年(昭和10年)に博文館より発行された『辞苑』(じえん)を改訂したものであった。1945年(昭和20年)の東京大空襲により、印刷所と倉庫が被災し、数千ページ分の活字組版と大量の印刷用紙が焼失するという出来事もあり、改訂作業に20年もの期間と多大な労力が費やされた。編著者をはじめとする関係者の労苦が実り、書名を『広辞苑』と改めて出版された。
『広辞苑』初版の収録語数は約20万語、定価は2000円であった。この当時、公務員の初任給8700円、喫茶店のコーヒーは1杯50円であり、『広辞苑』はとても高額なものであったが、印刷が間に合わないほど売れ、大ベストセラーとなった。
『広辞苑』の編著者は、言語学者・文献学者である新村出(しんむら いずる、1876~1967年)と、新村出の次男でフランス文学者・言語学者である新村猛(しんむら たけし、1905~1992年)とされる。2018年(平成30年)1月12日に『広辞苑』第七版が発行された。収録語数は約25万語、定価は税込で普通版が9720円、机上版が15120円となっている。