2016年(平成28年)6月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「International Day of the Tropics」。「熱帯地域の国際デー」ともされる。
2014年(平成26年)6月29日、ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチーは熱帯地域の報告書を発表した。その報告書は、12の主要な熱帯研究機関の共同研究の集大成であり、今後ますます重要になる熱帯地域の展望を提示するものであった。この国際デーは、この報告書の発表を記念したものである。
熱帯地域は、地球上で緯度が低く日射量が多く年中温暖である。上昇気流により低気圧が発生しやすく、豊富な雨量により熱帯雨林を形成する地域や、雨季と乾季が明確でサバナと呼ばれる草原が分布する地域もある。熱帯地域は、世界の総表面積の40%を占め、世界の生物多様性の約80%、そして言語と文化の多様性の大部分を占めている。
熱帯地域は、著しい進歩を遂げてきたが、気候変動、森林伐採・減少、都市化、人口動態の変化など、様々な課題に直面している。この国際デーは、熱帯地域の国々が持続可能な開発を達成するために、これらの課題に対する意識を高めること、また、熱帯地域の重要な役割を強調することを目的としている。