関西屈指のそば処として知られる兵庫県豊岡市出石(いずし)町に事務局を置く但馬國出石観光協会が制定。
この町のシンボルは日本最大にして最古年の時計台「辰鼓楼(しんころう)」である。もともとは1871年(明治4年)に太鼓で時を告げる太鼓櫓(たいこやぐら)として誕生したもの。
時計台となったのは1881年(明治14年)に藩医の池口忠恕(いけぐち ちゅうじょ)が大病を患った際に多くの出石町民が病気快癒の願掛けをし、回復後、忠恕は病気療養中に出石の人々から多大な精神的支援を受けたことに対して感謝の思いを形にしたいと「辰鼓楼」に機械式大時計を寄贈したことによる。
こうしたエピソードとともに但馬の小京都・出石に日本が世界に誇れる時計台があることをより多くの人に知ってもらうことが目的。
日付は「辰鼓楼」の初号機が動き出した1881年(明治14年)9月8日から。記念日は2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
出石はかつての出石城の城下町であり、碁盤の目状の町割が特徴である。出石城は江戸時代の1604年(慶長9年)に小出吉英(こいで よしひで)により築城された。
そんな城下町の出石にある「辰鼓楼」の外観は上記の1881年当時のままである。ただし、時計本体は入れ替えられており、3代目の時計が時を刻み続けている。
関連する記念日として、奈良時代に成立した日本最古の歴史書『日本書紀』に記載のある漏刻(ろうこく:水時計)の設置に由来して、6月10日は「時の記念日」となっている。