海上保安庁が1949年(昭和24年)に制定。
1868年(明治元年)11月1日(新暦)、神奈川県横須賀市の観音崎(観音埼:かんのんざき)に日本初の洋式灯台「観音埼灯台」が起工された。
記念日の制定当初は、洋式灯台の導入が文化の先駆けの意味が強かったことから、11月3日の国民の祝日「文化の日」に先駆けて1日を記念日としたとされていた。しかし、1970年(昭和45年)の『灯台百年史』の編纂(へんさん)の時に、観音埼灯台の起工日が11月1日であったことが判明し、これが「灯台記念日」の日付の由来とされるようになった。
この日には、各地の海上保安部などで記念行事が実施されるほか、灯台周辺の観光協会などでも各種のイベントが開催される。普段は公開されていない灯台が、この日前後に特別公開され内部に入れる場合もある。
観音埼灯台は、三浦半島東端に立っており、関東大震災などの大正時代の地震により1923年(大正12年)と1925年(大正14年)の2度再建され、2020年(令和2年)11月時点の灯台は3代目にあたる。
初代の観音埼灯台は、煉瓦造りの四角い洋館建てであった。設計はフランスの技術者レオンス・ヴェルニー(Léonce Verny、1837~1908年)らが担当した。ヴェルニーは横須賀造兵廠(ぞうへいしょう)や横須賀海軍施設ドックなどの近代施設の建設を指導した人物である。
3代目の観音埼灯台は、白色八角形の中型灯台で、1998年(平成10年)11月1日に「日本の灯台50選」に選出された。東京湾や浦賀水道を照らし、海上交通が込み合う浦賀水道航路の安全に寄与している。また、灯台の周辺は県立観音崎公園となっており、自然環境が保護されている。
なお、地名の観音崎(観音埼)の漢字表記は、国土地理院の地図上は「観音崎」、海上保安庁の海図上は「観音埼」となっている。また、この日11月1日を初日として11月8日までの8日間は「海と灯台ウィーク」となっている。