東京都新宿区西新宿に本局を置く東京都水道局が制定。
日付は1898年(明治31年)12月1日に淀橋浄水場(現:西新宿の高層ビル群)から神田・日本橋地区に給水を開始したことで東京の近代水道が始まったことから。120年以上に渡り、都民の生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして、安全で高品質な水を届けてきた東京の水道の歴史を記念するとともに、その大切さを多くの人に知ってもらうことが目的。
記念日は2019年(令和元年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。この日を中心として、東京水道の取り組みや水の魅力をより一層知ってもらうためにイベントなどが実施される。
淀橋浄水場とは、現在の東京都新宿区西新宿にあった東京都水道局の浄水場である。原水は玉川上水から引き入れられた。下の画像は1960年頃の新宿の眺望で、画像下部の貯水池が淀橋浄水場である。
この給水開始当時の水道は、現在のように一般家庭各戸に給水されるスタイルではなく、街路に設置された共用水栓を利用するものであった。
それ以前の上水井戸の時代とは変わって雨天時の混濁がなく、多大な労力を要することも無く、共用水栓まで出向いて蛇口をひねればいつでも清潔な水を大量に得ることが出来た。
そのため、東京市民には非常に歓迎され、特に主婦にとっては炊事・洗濯・掃除といった家事の負担を著しく軽減した。また、鉄管で密閉・圧送された浄水は清潔なだけではなく、消防用水としても効果的で、大火を防止する有効な手段となった。
本格的な給水開始以降は東京における伝染病や火災の発生数は激減し、近代水道の効果を示した。その後、淀橋浄水場は1965年(昭和40年)3月31日をもって廃止され、その機能は東村山市の東村山浄水場に移された。
跡地の再開発計画として新宿副都心計画がスタートし、1960年代後半から京王プラザホテルを皮切りに住友ビル、三井ビル、東京都庁舎など、次々と超高層ビルの建築が進んだ。現在は新宿中央公園の一角に淀橋給水所が残る。