フナは、コイ目コイ科フナ属に分類される淡水魚。日本を含むユーラシア大陸に広く分布し、流れのゆるい川や浅い湖沼に生息する。コイに似ているがひげがなく、体高が少し高い。
「フナ」の名前は、江戸時代の本草学者である貝原益軒が『日本釈名』(1699年)で「煮て食べると、骨が柔らかくてないかのようだ。」と書いており、「ホネナシ」→「フナ」となった説がある。他にも、淡水のどこでも見られる魚だから「川に生ふ魚」という意味の「オフナ」(生魚)→「フナ」となった説がある。
漢字の「鮒」は魚へんに「付」を組み合わせたもので、つくりの「付」には「小さい」という意味があり、「鮒」は「小さい魚」を表す。また、フナは「鯽」とも書き、これは「背びれを高く立てる」という意味で、イカを指すこともある。他にも、「鯽」には「くっつく」という意味があり、群れをなして後ろにくっついて泳ぐ姿に由来する説がある。同様の語源で「後ろに付く」の意味で「付」の字が入った「鮒」が生まれたとする説もある。
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