「鮑」「蚫」「鰒」(あわび)の名前の由来

アワビは、ミミガイ科の大型の巻貝の総称。雌雄の判別は外見からではほぼ不可能で、肝ではなく生殖腺の色で見分ける。生殖腺が緑のものがメスで、白っぽいものがオスである。

アワビは殻の口が大きく、二枚貝の片側だけの貝に見える。江戸時代の本草学者である貝原益軒かいばら えきけんは『日本釈名にほんしゃくみょう』(1699年)で、貝が合わないものなので、「アハビ」(ビは接尾語)と称したという。

漢字の「鮑」は、魚へんに「つつむ」を意味する「包」という字を組み合わせたもの。これは楕円形の殻に覆われて岩に付着する姿が、身を包んだように見えることに由来する。また、「鮑」の字には「腹を開いて塩漬けにした魚」という意味もある。漢字は魚へんの「鮑」のほかに、虫へんに替えた「蚫」と、「鰒」も「あわび」と読む。「鰒」には「あわび」のほかに「ふぐ」とも読む。

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カテゴリー「魚へん漢字の由来

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