筋肉痛の遅い早いと年齢は関係ない 乳酸は疲労物質ではない

「歳をとると筋肉痛が2~3日遅れてくる」という話を聞くが、筋肉痛の遅い早いに年齢は関係ない。

そもそも筋肉痛は傷ついた筋肉を修復する際に出る痛みのこと。普段使わない筋肉は修復が遅いためで、年齢は関係ない。年齢を重ねるにつれ、運動する機会が減ることで、普段使わない筋肉が増える。その状態で急な運動をすると負荷が高くなり、筋肉痛のピークが遅れて出る。事前に軽い運動をすることで筋肉痛を軽くすることが出来る。

「乳酸がたまって疲れる」と言うがこれも事実とは異なる。運動などで糖が消費され疲労がたまり、それと同時に乳酸が発生することから、乳酸は疲労物質だとノーベル賞受賞者であるアーチボルド・ヒル(1886~1977)とオットー・マイヤーホフ(1884~1951)が論文で発表したことで、これまで誰も疑わなかったが、さまざまな研究で乳酸が疲労を起こしているのではないことが分かってきた。むしろ乳酸は筋疲労を防ぐ働きがある。

2016/10/21

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カテゴリー「生活・科学

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