昔から「暗いところで本を読むと目が悪くなる」と言われてきた。しかし、未発達の子どもの場合は注意が必要だが、ある程度の年齢になると目が悪くなることはない。
暗いところで本を読むと、目が疲れたり視力が落ちたように感じるが、これは一時的なもの。暗い場所にいる時、人の目は少しでも多くの光を取り入れようと瞳孔が開く。一方、読書のように近くのものを見る時は、目は瞳孔を縮めようとする。瞳孔の働きが反対になってしまうため、暗いところで本を読むと目が緊張して疲れを感じる。しかし、これが原因で視力が低下するわけではない。
また、「テレビやゲーム、パソコンを長時間見続けていると目が悪くなる」とも言うが、こちらは本当。長時間同じ距離を見続けていると目のピント調節機能が衰えてしまい、視力の低下につながる可能性がある。途中休憩を入れて遠くを見たり、画面を見る距離を変えることで目にかかる環境を変えてあげるのがよい。
ちなみに、2歳や3歳の子どもはハッキリ目が見えているわけではない。1歳~3歳の子どもは0.2~0.4程度の視力しかなく、ぼやけた状態で見えている。その後、6歳頃に視力が約1.0になるのが、正しい発達段階である。
2016/10/22
カテゴリー「生活・科学」