日本刀を使う将棋盤づくりはたった1人の職人によってその伝統の技が継承されている。
その職人は埼玉県行田市にある吉田碁盤の三代目・吉田寅義さん。彼の手によって作り出された最高級の将棋盤は多くのプロ棋士に愛され、タイトル戦の舞台でも使用される。また、その将棋盤は100万円以上の価格で取引されている。
江戸時代から脈々と受け継がれている技とは、日本刀を使って将棋盤の目を刻むことである。これは江戸時代の「太刀盛り」という目盛りづけの技で、切れないように刃先を丸く加工した日本刀に漆を塗って将棋盤に升目を付けていく。
最高品質とされる太刀盛りの将棋盤と印刷の将棋盤を見比べると、その違いは歴然で、太刀盛りの方が線が細く立体的に見える。反りを利用して刀が入り、刀が離れる時に漆が刀から落ちて表面張力により丸い球形の線の連続になる。
この技法が生まれたのは江戸時代で、身近にある物で一番真っ直ぐな物が日本刀であったことから生まれた。
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2017/8/2
カテゴリー「歴史・文化」